今さらと思われるでしょうが、読んでみました。
・・・本当のことを言うと
この本は難しくて途中であきらめる人が多いという話を聞いて
自分に読破はムリだと確信したので
オーディオブックで聞くことにしました。
Audibleのキャンペーンで2か月利用料が無料。
さらに1か月につき本が1冊ずつ無料ということだったので
この本を無料で聞いてみました。
この本の中で一番インパクトがあったのが
「認知革命」という考え方でした。
「認知革命」とは突然変異による「脳の配線替え」と書かれています。
「認知革命」によってなにがおこったかというと
人類がうわさ話をすることができるようになったんだそうです。
・・・・これだけ聞いてもいまいちピンときませんよね。
うわさ話ぐらい別に普段からしてますけど・・って感じですが
実はこの革命が人類を地球上の食物連鎖の頂点にまで一気に押し上げた大革命なんです!!
うわさ話ができるということは、目の前で実際に起こっていない虚構(フィクション)を信じることができるということです。
私たちも出身が同じというだけでみょうに親近感をもったり
同じ日本人だ、とか同じ神様を信じているということで連帯感をもつことがありますよね。
もともと人類は群れでくらしていましたが、その構成人数は150人ぐらいまでが限界で
それ以上になると統制が取れず分裂してしまっていたそうです。
ところが「認知革命」により噂話ができるようになり、同じストーリーを共有できるようになると、
連帯感が増してより巨大な群れを作ることができるようになりました。
そこから先は数の暴力です。
誕生してからの数百万年間ずっと、人類は食物連鎖の中ぐらいでしたが
大集団で捕食、戦闘をすることで一気に食物連鎖の頂点にまで駆け上がったのです!!
またこの「認知革命」がおこったのは、人類の中でも我々の祖先、ホモサピエンスのみでした。
まず、そもそも
この部分も私の認識とはちがいました
昔、学校で習ったイメージでは
サル⇒類人猿⇒ネアンデルタール人ぐらい?⇒ホモ・何とか?⇒現代人
というイメージでしたが
実際は
我々の先祖はホモサピエンスで
ネアンデルタール人や、ホモ・エレクトスなどは人類だけど、われわれとは別の種。
つまりサルから我々への進化の過程にはいないということでした。
では彼らの子孫はなぜ残っていないのでしょうか。
・・・・・どうやら、われわれの祖先のホモサピエンスに殲滅させられたようです・・
ネアンデルタール人はホモサピエンスよりも体も強靭で、知能も高く一人一人のスペックでみるとネアンデルタール人の方が上だったようです。
「認知革命」前はホモサピエンスはネアンデルタール人に勝てませんでした。
ところが「認知革命」がおこり、ホモサピエンスは数に任せてネアンデルタール人を打ち負かし、とうとう根絶やしにしてしまったのです。
実際はホモサピエンスが他の人類種を殲滅したという絶対的な証拠はないようです。
ただ、ホモサピエンスがどこかの土地に進出すると
その土地にもともと住んでいたホモサピエンス以外の人類種たちは
途端に消滅するという現象が繰り返されました。
そして、最終的には地球上にホモサピエンス以外の人類が一人もいなくなったのでした・・・!!!
これがこの本の一番のポイント「認知革命」でした。
次におこったのが「農業革命」です。
これに関して言えば先ほどの「認知革命」とは違って
何となく聞いたことはありました。
人類はもともと狩りをして食料を得ていたが、ある時から、農耕を行うようになった。
食料を蓄えられるようになり豊かになった代わりに貧富の差が生まれた。
というぐらいの認識でした。
ただこの本を読んでみるとこれもだいぶイメージが違いました。
著者の考えでは農業革命は史上最大の”詐欺”だそうです!
イネや、小麦に人類が家畜化されてしまったとまで述べています。
まず農耕をするようになって労働時間がかなり増えたようです。
そして狩りをしていた時は
採取した多種多様なものを食べていたが
農耕をするようになってからはほぼ毎日小麦か、コメなど一種類の限られた食物のみを食べるようになったので栄養が偏り、体が弱くなってしまいました。
また、一種類の食物のみに頼るため、干ばつや、イナゴの大量発生など
その食物になにかアクシデントがあったときは大飢饉になってしまいます。
あと畑の近くに定住するようになり、その土地を守らなくてはいけなくなったので
人類同士の戦いが増えたとのことです。
さらに家畜をかうようになり動物から由来する感染症が増えたなど
狩猟から農耕へ生活が変わって悪くなったことがこれでもかと列挙されていました。
人類全体の数は増えたが一人ひとりを考えてみると狩猟していた頃の方が幸せだった。
企業としては拡大したが社員一人一人の幸せ度は低下したブラック企業のようなものと書かれていました。
人生における幸せとは何かといったことも考えさせられる内容でした。
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